肩と歯は異なる部位ですが、歯の痛みと肩こりが結びついている可能性があります。
「肩こりで悩んでいたけれど、歯の痛みも気になり始めた」そんな方もいるのではないでしょうか。
結論から述べると、肩こりが原因で歯の痛みが発生するケースも、歯の痛みが原因で肩こりが発生するケースも存在し、それぞれ対処法が異なります。
この記事では肩こりと歯の痛みの関連性について解説します。
肩こりが原因の場合の対処法や、一方で歯の痛みが原因となっている場合の対処法についても解説しますので自身にあった解決策が見つけられるでしょう。
慢性的な肩こりや歯の痛みで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
歯の痛みと肩こりの関係とは
関連性がないと思われがちな歯の痛みと肩こりですが、実はどちらかが原因でもう一方の症状が発生している可能性があります。
肩こりが原因で歯の痛みが発生しているケースであれば、肩こりの原因を探り解消しなければなりません。一方で歯の痛みが原因で肩こりが発生しているケースであれば歯科医院を受診し、お口の中の状態を改善しなければなりません。
症状が発生した順番は関係ありませんので、それぞれの痛みが発生した原因を正しく判断する必要があるでしょう。
歯の痛みと肩こり、それぞれの因果関係と対処法について解説します。
自身の症状は何が原因となっているのか判断し、正しい対処法をしましょう。
肩こりによって歯の痛みが出ている場合
肩こりが続いていると、歯の痛みが症状として発生するケースがあります。多くの方は肩こりと歯の痛みを別の症状として考えてしまいますが、双方が実は関係しているケースもあるのです。歯の痛みを改善するために歯科医院を受診しても解決しなかった方も少なくありません。
歯の痛みの原因が口の中にあるのか肩こりにあるのかきちんと判断し対処しなければ痛みの解決にはなりません。肩こりにより発生する関連痛と、肩こりの原因について解説します。
肩こりが原因で歯の痛みが発生している場合は肩こりを対処しなければなりません。肩こりの原因の多くは姿勢の悪さで、普段の生活が関係しています。日常の生活を変えるのは難しいですが、肩こりの原因となっている部分がないか判断してみましょう。
原因①:関連痛
肩こりによって歯の痛みが発生するケースがあります。歯の痛みと聞くと虫歯を連想する方が多いかもしれませんが、虫歯になっていなくても歯に痛みが発生する場合があるのです。
その一つが肩こりによる関連痛で、肩こりの刺激が歯に伝わってしまい、歯の痛みが発生します。歯科医院を受診しても虫歯が見つからず、歯の痛みの原因がわからないケースも少なくありません。虫歯がないのに歯が痛い場合は肩こりからくる痛みの可能性があるのです。
歯の治療ではなく、肩こりの改善により歯の痛みが解消される可能性があります。
肩こりに悩んでいて、歯の痛みも発生してきた方はまずは肩こりの対処から始めてみましょう。
原因②:姿勢の悪さ
肩こりの原因の多くは姿勢の悪さです。人間は頭を首と胴体で支えています。人間の頭の重さは個人差はあるものの、約4キロほどあり、体のなかでも重い部位です。この頭を支えている首と胴体の位置関係で肩こりは発生します。
通常であれば横から見た時に頭から首、胴体が一直線になっていますが、首が前に傾いてしまっていると首や肩に大きな負担がかかってしまいます。この首の傾きはスマートフォンの見過ぎや猫背、オフィスワークで同じ姿勢の長時間継続が原因で、ストレートネックとも呼ばれています。
本来であれば頭の重さを首から胴体へと一直線で支えているものが、首や肩に余計に負担がかかってしまうので肩こりが発生します。姿勢は自分で確認するのが難しいですが、鏡を見たりして意識してみましょう。仕事などで同じ姿勢を長時間続ける生活を送っている場合は肩こりが発生しやすいため、日常的に対処していく必要があります。
対処法
慢性的な肩こりで悩んでいる方は姿勢から見直していくべきです。
スマートフォンを操作する時や、オフィスワーク時には自身の姿勢を意識し、正しい姿勢を保ちましょう。普段から猫背で生活している方も猫背の改善により肩こりが解消されるケースもあります。同じ姿勢が続いてしまい、肩や首に力が入っている場合はストレッチやマッサージでほぐしてあげると肩こりが楽になります。
加えて、日常的な軽い運動も肩こりに効果的ですので、生活の中に運動を取り入れてみましょう。
また、普段は肩こりでは悩まない方であれば関連痛も疑うべきです。
原因が別の部位にある場合、正しい姿勢やストレッチだけでは解消しません。歯の痛みが肩こりと同時に発生しているのであれば歯に原因がある可能性も高いです。
歯の噛み合わせや虫歯などお口の中のトラブル解決で肩こりが解消されるケースもあります。
歯の痛みによって肩こりが起こっている場合
虫歯や噛み合わせの悪さが肩こりの原因となる場合があります。
実は顎の筋肉や神経は肩の筋肉や神経と繋がっているため、顎に負担がかかっていると肩にも影響を及ぼします。
噛み合わせは自分自身では良いか悪いか判断できないため、噛み合わせが悪くなっていても症状が出るまで発見できないケースも多いです。噛み合わせが悪くなる原因は虫歯だけではなく、自身の咀嚼の癖なども影響します。こうした噛み合わせの悪さは専門の歯科医院を受診し、診察してもらうと発見できます。治療に関しては時間がかかるケースもありますので覚えておきましょう。
噛み合わせの悪さが肩こりにどう影響するのか、またその対処法について解説します。
原因:噛み合わせの悪さ
噛み合わせの悪さは左右どちらの歯でしか咀嚼をしなかったり、一部の歯でのみ食べ物を噛まなかったりする行為が原因です。自分では無意識にしている咀嚼が、噛み合わせの悪さの原因となっています。
例えば虫歯などで歯に痛みが出ている場合、その歯を避けて噛むようにするでしょう。そして先ほど述べたように、左右のどちらかでのみ咀嚼をしたり、その歯を使用しないように顎をずらして噛む行為を行ったりします。
こうした咀嚼を続けていると、左右の歯の高さが変わってしまい噛み合わせが悪くなります。噛み合わせが悪い状況が続くと顎に負担がかかり、筋肉や神経が繋がっている肩へと影響を与えるのです。
対処法
噛み合わせが原因で発生した肩こりであれば噛み合わせの改善をしなければなりません。噛み合わせ治療を行っている歯科医院にて診察を受け、治療をしてもらいましょう。
歯科医院では、歯並びや虫歯の状況、詰めもの、噛む癖などを患者様ごとに診断し、原因を探ります。虫歯が原因であれば虫歯の治療をしますし、噛む癖が原因であれば噛み合わせ改善のためのマウスピースを作製し、少しずつ改善に向けて治療してくれるケースもあります。
診察時に肩こりの症状があると伝え、噛み合わせとの関連性など併せて診察してもらうようにしましょう。
まとめ
肩こりと歯の痛みの関係性について解説しました。
肩こりが原因で歯の痛みが発生するケースもあれば、歯の痛みが原因で肩こりが発生するケースもあります。顎の筋肉や神経は肩と繋がっており、お互いに痛みを発生させる原因ともなり得るのです。
肩こりの多くの原因は姿勢の悪さですが、歯の痛みが発生している場合は噛み合わせなどお口の中の状態も診察してもらう必要があるでしょう。 噛み合わせは虫歯や噛む癖など原因はさまざまで治療法も異なります。
信頼できる歯科医院を受診し、噛み合わせの改善に向けて治療しましょう。