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虫歯じゃないのに歯がしみる?主な原因と6つの対処法を解説

「虫歯じゃないのに歯がしみる…」といった悩みはありませんか?

実は、同じ悩みを持つ人はたくさんいるのです。

歯の痛みには様々な種類がありますが、「しみる」痛みについてひとつの大きな原因が考えられます。

この記事では、虫歯じゃないのに歯がしみる原因とその対処法、予防法について解説しています。

原因を理解すれば、より効果的な対処が可能です。

虫歯じゃないのに歯がしみるといった悩みを持つ方は必見ですよ。

虫歯じゃないのに歯がしみるのは知覚過敏が原因

虫歯じゃないのに歯がしみるといったケースの主な原因として、知覚過敏が考えられます。

知覚過敏とは何か、知覚過敏になる原因、発症した場合の対処法、発症しないための予防法を以下で詳しく解説していきます。

知覚過敏とは

知覚過敏とは、何らかの要因によって歯がしみる症状のことを言います。

「歯がキーンと痛む」といった表現を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

歯の表面は、エナメル質と呼ばれる硬い組織で覆われています。

エナメル質には神経が通っていないため、削ったり刺激を与えたりしても痛みを感じることはありません。

しかし、エナメル質の内側にある象牙質と呼ばれる部分が、刺激を痛みとして感じるのです。

以下のような場面で痛みを感じることがあります。

  • 冷たい、熱い、甘い、酸っぱいなど刺激の強い飲食物を摂取したとき
  • 歯ブラシや器具が歯に当たったとき
  • 歯に冷たい風が当たったとき
  • ホワイトニングの治療中、治療後

知覚過敏の症状

冷たいもの・甘いものがしみるのは初期の症状です。

軽症の場合は2〜3秒程度、長くても1分以内に痛みは消えるでしょう。

しかし、重症化するにつれて痛みを感じる時間は長くなっていき、感じる痛みも非常に激しいものになります。

最終的に、何もしなくてもズキズキと痛む状態になることもあるのです。

象牙質には小さな穴が無数に空いており、その穴が歯の神経に繋がっています。

そのため、エナメル質が溶ける・削れるといった理由によって象牙質が露出すると、しみるような痛みを感じるのです。

知覚過敏になる4つの原因

知覚過敏を発症する原因として、以下の4つを取り上げます。

  • 歯肉退縮
  • 過度なブラッシング
  • 歯ぎしり、食いしばり
  • 酸蝕歯(さんしょくし)

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

歯肉退縮

知覚過敏になる原因の1つ目は、歯肉退縮です。

歯の根元部分における象牙質は歯肉に覆われているのが正常な状態です。

しかし、加齢によって歯肉の位置は少しずつ下がってしまいます。

歯肉退縮は歯茎下がりとも呼ばれ、加齢だけでなく歯周病によっても進行します。

こうして象牙質がむき出しになると、少しの刺激でも痛みを感じてしまうのです。

過度なブラッシング

知覚過敏を引き起こす要因として2つ目に挙げられるのが、過度なブラッシング。

口内の健康を保つために歯磨きは必要不可欠です。

しかし、過度なブラッシングはエナメル質を傷つけ、象牙質を露出させることに繋がります。

過度なブラッシングとは、毛先が硬い歯ブラシや研磨剤配合の歯磨き粉などを使用したり、力任せに歯を磨いたりする行為を指します。

こうした過度なブラッシングによって象牙質がむき出しになると、歯がしみるような知覚過敏の症状が現れるのです。

歯ぎしり・食いしばり

実は、知覚過敏には歯ぎしりや食いしばりも大きく関わっているのです。

歯ぎしりや食いしばりによって歯や顎に非常に強い咬合力がかかると生じるのが、くさび状欠損。

くさび状欠損とは歯と歯茎の境目部分に見られるくさび状のすり減りのことで、これが形成されると象牙質が露出し知覚過敏を引き起こします。

特に歯ぎしりは直接歯のエナメル質を擦り合わせるため、エナメル質が削れる・割れるといった結果に繋がってしまいます。

歯ぎしりや食いしばりの原因は不安やストレス、疲労などさまざまですが、知覚過敏だけでなく頭痛や顎関節症を引き起こすこともあるのです。

酸蝕歯

知覚過敏になる原因の4つ目は、酸蝕歯です。

酸蝕症(さんしょくしょう)とも言います。

これは、飲食物に含まれる酸により、エナメル質が溶かされてしまった歯のことを言います。

酸を含む飲食物とは、わかりやすくいえばすっぱい食べ物や飲み物のことです。

レモンやミカンといった柑橘類、お酢、さらにはスポーツ飲料、甘い炭酸飲料なども例として挙げられます。

これらを頻繁に、あるいは長時間摂取することが多いと、エナメル質が溶け象牙質がむき出しになり、知覚過敏を引き起こしてしまうのです。

知覚過敏の対処法6選

次に、知覚過敏の対処法を6つ紹介します。

  • 歯磨き方法の見直し
  • 夜間にマウスピースを着用する
  • 知覚過敏用コーティング剤の塗布
  • 歯科用レーザーによる治療
  • 歯肉再生手術
  • 歯の神経を抜く

以下でそれぞれについて詳しく解説します。

歯磨き方法の見直し

知覚過敏の対処法としてもっとも簡単なものは、歯磨き方法の見直しです。

歯の磨きすぎによって知覚過敏を引き起こしている方は、症状改善のために正しい歯磨き方法を身につけることが大切ですよ。

まずは、歯ブラシを毛先のやわらかいものに替えましょう。

ゴシゴシと力を入れて磨くのではなく、軽く・優しく磨いてください。

歯磨き粉は研磨剤が配合されていないものを選ぶと良いでしょう。

歯科医院や通販サイトでは、知覚過敏防止用の歯磨き粉を販売しています。

正しく磨けば2週間ほどで効果が現れる場合がありますので、一度使ってみるのもおすすめです。

夜間にマウスピースを着用する

夜間の歯ぎしりや食いしばりがひどい方は、マウスピースを装着しましょう。

就寝時にマウスピースを装着することで、歯ぎしりや食いしばりによるダメージを軽減できます。

ただし、市販のマウスピースでは噛み合わせや歯並びに悪影響を及ぼすリスクがありますので注意してください。

使用するのは、歯科医院で製作したものにしましょう。

歯へのダメージを軽減できれば、知覚過敏の症状も抑えられますよ。

知覚過敏用コーティング剤の塗布

歯科医院でコーティング剤を塗布するのも知覚過敏の対処法の1つです。

知覚過敏の症状が中程度の場合、歯磨き方法の見直しだけでは症状が改善されないかもしれません。

歯科医院では、知覚過敏を抑制する塗り薬を歯の根元に当たるしみる部分に塗布します。

コーティングによって膜が張られる状態になり、刺激から歯を守り症状を抑えるのです。

歯科用レーザーによる治療

上記2つの方法でも症状が改善されない場合は、歯科用レーザーで治療することも可能です。

象牙質には、神経へ刺激を伝えるための小さな穴(象牙細管)が無数に空いています。

レーザー治療では、その穴を埋めることによって外部からの刺激を遮断し、知覚過敏の症状を緩和するのです。

ただし、すべての歯科医院がレーザー治療に対応している訳ではありません。

レーザー治療をご検討の方は、必ず事前に調べるようにしてください。

歯肉再生手術

歯肉は一度下がってしまうと、元の位置に自然と戻ることはありません。

知覚過敏の症状とともに審美的な面でも改善を図りたいといった方には、歯肉再生手術がおすすめです。

下がってしまった歯茎のボリュームや厚みを増やすために、CTG法(結合組織移植術)と呼ばれる手術を行います。

上顎の裏側から歯茎の組織を採取し、下がってしまった歯茎へ移植するのです。

これによって知覚過敏の症状が改善されるだけでなく、審美面も回復します。

歯の神経を抜く

知覚過敏の症状が重度で、上記の方法では意味がない場合には、最終手段として歯の神経を抜くといった選択が考えられます。

歯の神経を抜けば、知覚過敏の症状はなくなります。ただし、歯の神経を抜く場合、健康な歯を大きく削ることになるのです。

虫歯でもない健康な歯を削ることはおすすめできません。そうなる前に、しっかりと知覚過敏を予防することが大切です。

知覚過敏にならないためには?3つの予防法

知覚過敏を発症した場合の対処法をご紹介しました。

それでは、そもそも知覚過敏にならないための予防法はあるのでしょうか?

ここでは知覚過敏を予防する方法を3つ取り上げます。

  • ストレスの緩和
  • 食生活の改善
  • 歯科医院の受診

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

ストレスの緩和

知覚過敏の予防には、ストレス緩和が大切です。

知覚過敏の原因の1つである歯ぎしりや食いしばりには、ストレスが大きく関わっています。

リラックスする時間を作り、できるだけストレスを溜め込まないことが大切です。

入浴中といった隙間時間に顎周辺をマッサージするのもおすすめです。

筋肉がほぐれると歯ぎしりや食いしばりを軽減できることがあり、知覚過敏の予防に繋がります。

食生活の改善

食生活の見直し・改善も、知覚過敏における有効な予防法の1つです。

普段わたしたちが食べたり飲んだりしているものの多くは酸性です。

そのため、酸性の飲食物を全く摂取しないことは難しいでしょう。

そこで以下の工夫が考えられます。

  • ①酸性度の高い飲食物を摂取する量や頻度を減らす
  • ②よく噛んで唾液の分泌を促進し口内を中性に保つ
  • ③食後は歯磨きやうがいをして酸を洗い流す

知覚過敏を予防するためには、このように酸を含む飲食物の摂取の仕方を見直し、酸蝕歯を

予防することが求められるのです。

歯科医院の受診

定期的に歯科医院を受診し、噛み合わせの状態をチェックしてもらいましょう。

噛み合わせが悪い場合、歯茎が下がる、歯が削れる・割れるなどの原因になります。

そうして象牙質が露出すると、知覚過敏だけでなく虫歯も発症しやすくなってしまいます。

お口の健康を保つために、歯科医院の定期検診を有効に活用してください。

まとめ

以上、虫歯じゃないのに歯がしみる原因と対処法、予防法を解説しました。

虫歯じゃないのに歯がしみる原因として主に考えられるのは知覚過敏です。

歯肉退縮や過度なブラッシング、歯ぎしりや食いしばり、酸蝕歯が知覚過敏を引き起こします。

知覚過敏になった場合の対処法は以下の6つです。

  • 歯磨き方法の見直し
  • 夜間にマウスピースを着用する
  • 知覚過敏用コーティング剤の塗布
  • 歯科用レーザーによる治療
  • 歯肉再生手術
  • 歯の神経を抜く

また、ストレス緩和、食生活改善、歯科医院の受診が知覚過敏における有効な予防法として挙げられます。

知覚過敏は多くの人が抱えている悩みですが、日常生活における小さな工夫で改善できる場合があります。

重症になった場合の対処法はデメリットが多くありますから、そうなる前に予防することが大切ですよ。

しかし、痛みが強い方、症状が長期間続く方は、我慢せずに早めに歯科医院を受診しましょう。

「最近歯がしみるような気がする…」「これって知覚過敏かな?」など気になる点がある方は、ぜひ当記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。